◆塗装について | ||
望遠鏡は夜露に濡れるものですから、木材の防水、金属の防錆の意味からも、塗装は大事です。私は塗装の専門家ではないので、詳しいことは省きますが、良い塗装をするには、何よりも手抜きをしないことが大事だと思います。 |
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1)下地処理 まず表面の油分を取り除くために、ラッカーシンナーでよく脱脂します。ガソリンでもOKです。 金属の場合 塗料の喰い付きをよくするために表面をペーパーで荒らします。最近はドライペーパーの良い物がでているので、それらを使い空研ぎした方が良いです。耐水ペーパーで水研ぎすると、どうしても錆が浮いたりして、とくに鉄などでは具合が悪いです。
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右側の白いものが空研ぎ用のペーパーです。酸化アルミの粒を使ったもので、目詰まりもなく、非常によく切れます。各社から出ていますが、3Mのエクセルペーパーなどが有名です。他社でも表面に波目の模様があるタイプなら、同じ様な感じで使えるようです。300#〜400#位のものを使います。 左側に見えるのはスコッチブライトと呼ばれるもので、食器洗いのスポンジの裏側についているものと同じものです。アルミや真鍮では、これでこすって表面を荒らすだけでも大丈夫です。 |
FRPの場合 FRPは基本的に塗料ののりが良いのですが、表面に離型剤が残っている場合があります。また、ツルツルの表面ではやはり喰い付きが悪いので、金属の場合と同じようにペーパーやスコッチブライトで表面を荒らします。 |
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2)下塗り 実は、上塗りより大事に考えた方が良いと思うのがこの下塗りです。これをちゃんとしないと簡単に塗装が剥がれたり、錆が浮いてきたりしてしまいます。最近はとても良いプライマーサフェーサー(プラサフ)が出ていますので、ぜひご使用をお勧めします。 |
ロックペイントの【HBジンクプラサフ】 アクリルウレタン系のプラサフで、ウグイス色をしています。大変肉持ちがよく、密着性や研ぎ性にも優れた下塗り塗料です。上塗りもほとんどの塗料が大丈夫のようです。左に見えるのが硬化剤で、5:1の割合で混合し、よく攪拌して使用します。 |
プラサフを塗るにはエアガンが必要になりますが、表面状態をそれほど気にしないのであれば刷毛塗りでも大丈夫です。ウレタン用シンナー(ラッカーシンナーでも代用可)で適当な濃度に希釈して使用します。刷毛塗りの場合は2度塗りした方がいいでしょう。 乾燥したら400#以上のペーパーで表面を整えます。
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3)パテ付け 普通あまり望遠鏡では使いませんが、ちょっとへこんでいて気に入らないとか、表面をなめらかにしたい等の時はポリエステルパテを使います。 |
イサムの【POLICO PUTTYハイシャープ】 いわゆるポリパテと呼ばれるものです。接着力が高く、研ぎ性や収縮性にも優れたものが各社からでています。板などの上で、主剤とチューブに入った硬化剤を100:1位の割合で混合し、泡を入れないようによ〜くこねてから、ヘラでこすりつけるように盛っていきます。一度に厚盛りすると発熱して変形してしまいますので、せいぜい5mm位の厚さにおさえておくのが良いです。 |
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4)上塗り 最近はホームセンターなどで色々な種類の塗料が出ていますので、「金属用」として売られているものの中から好きなものを選べばよいと思います。 刷毛塗りの場合は乾きが遅い方が塗りやすいので、ラッカー系は避けた方がよいと思います。 エアゾール式では、自動車の補修用のものが、品質、作業性共に優れているものが多いので、ちょっと高いですがお勧めです。 |
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5)艶消し黒 黒い塗料に艶消し用のフラットベースやカーボンの粉等を混ぜて作ります。一般に市販で売られている艶消しの黒は、ほとんどのものが半艶消し程度のようです。ちょっと特殊ですが、黒板用塗料というものがあって、艶消し状態も結構良く、黒板用だけあって傷にも強いようです。 |
左側が関西ペイント(カンペ)のエアゾールタイプで、右側が大同塗料の刷毛塗り用。緑色の物もあるので、注意してください。こういうのは内容物が沈殿していますので、使用前によ〜く攪拌することが大切です。 | |
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