15Cmニュートン・カセグレン


1987年頃に製作した、ニュートン式とカセグレン式を簡単に切り替えられる望遠鏡です。自作というよりも市販望遠鏡の改造ですね。 この望遠鏡は池袋のサンシャインで行われた望遠鏡ショーのジャンク市で知り合いが入手し、その後私が譲り受けたケンコーの15Cmダルカーカム(試作品?)が元になってます。

当時は写真にも手を出していたので、長焦点と短焦点を切り替えられるニュートン・カセグレン切り替え式に改造してみました。実を言うと昔西村製作所のカタログでみたニュートンカセグレンがとてもかっこよくて、真似をしただけなんですが(^^;。最近バッフルの延長改造をしたので各部の写真をデジカメで撮っておきました。
今となっては時代遅れの感がありますが、何かの参考になれば幸いです。


●主副鏡
日本特殊光機製のカセグレン鏡で、主鏡F5、合成F15です。ニュートン斜鏡は短径53mm(メーカー名失念)。カセグレン副鏡が60mmもある(セル外径)のがちょっと難点です。

カセグレン焦点 は拡大撮影用として考えました。しかし結局いまだに一度も撮影していません(^^;。また、 ニュートン焦点 は直接焦点撮影専用です。高橋のMT160用レデューサーが使えるようになっていて、F4相当で撮影できます。


●鏡筒
ノーマルのアルミ鏡筒を型取りしてFRPで製作しました。ノーマルのダルカーカムは主鏡F4なのでそのままでは長さが短かく、途中でつないで長くしました。


●カセ・ニュートンの切り替え
カセグレン副鏡とニュートン斜鏡がスパイダーリングの表裏に付いているので、止めネジをゆ るめ、スパイダーリングを180度回転させて切り替えます。
スパイダーリング。元はアルミ鋳物製の太い3本スパイダーの一体型だったのですが、金切り用の鋸歯を使って4本スパイダーに改造しました。 カセグレン副鏡を付けたところ。先にカセグレンの光軸修正を行い、主鏡を動かさずに斜鏡のみでニュートン焦点の光軸調整をします。
ニュートン斜鏡セル。微調整機構はなく、手で直接位置を調整して、ネジを締めて固定します。 斜鏡セル部はこのボスにはめ込み、横からのネジで固定します。
スパイダーリングを90度まわしたところ。上側に見えるのがニュートン斜鏡です。 こうやって手で回してやります。止めネジは先がテーパーになったネジで、スパイダーリング外側の穴に刺すような感じでねじ込み、固定します。


●ニュートン接眼部  
ペンタックス67用のヘリコイド接写リングを利用して作りました。台座部はFRPです。これを作るために卓上旋盤を購入しました(^^;。ちょっと高かったですが、大変重宝しています。

台座部は3カ所の押し引きネジでスケアリングを調整できるようになっています。 上部はカメラ回転装置になっていて、右側に見える止めネジをゆるめてカメラを回転させることが出 来ます。ヘリコイド部にはスケールを張り付けてあり、ピントの再現の目安になっています。
高橋のMT160用レデューサーを取り付けたところ。これでF4くらいになるはずです。写り具合の方はまあまあです(^^;。


●カセグレン接眼部
元になったダルカークハムの接眼部を改造して利用しています。これは知人のアイディアなんですが、測定器などに使われる減速つまみ(バーニヤ?名前失念)を利 用してピントの微調整が出来るようになっています。左側のつまみをまわすとちょっと重いですが祖動が出来 ます。また、ドローチューブは2段になっていて、中程のリングを緩めると、接眼アダプターの付いたチューブを抜き差しできます。

鏡筒への取り付けは3カ所のノブネジで外側から固定するようになっていて、簡単に取り外しできます。
ラックピニオンの取り付け部からアルミの板を伸ばして減速つまみを固定しています。微動は大変スムースです。問題は接眼筒が長すぎて天頂プリズムが使えないことです(^^;。写真用だからいいと言えばそれまでですが・・・・。

今度もう少し背を低く改造しようかなと思っています。


●バッフルチューブ
元のバッフルチューブはかなり短く、直入迷光が接眼まで届いてしまう様な状況でした。今回やっとその気になったので(^^;、延長改造をしてみました。左の写真の一段細くなったところが延長した部分です。
外径35mmのアルミパイプの先端と中程にそれぞれ内径30mmと25mmのアルミリングを圧入して絞りにしています。このアルミリングは、ジャンクハードディスクをばらした時に出てきたもので、絞りになる部分をテーパー加工してあります。

こういったジャンクパーツにはいつも助けられていますです。ハイ(^^;



●想ひ出のアルバム(^^;
 
アストロのメガ赤道儀に載せたところ。この赤道儀は、純正のモーターが100Vのシンクロナスモーター(^^;で、値段も5万円くらいするので、ビクセンのMD−6を改造して取り付けました。

ピラー足は短く切断してあります。

これに自作の10Cmニュートンのガイド鏡を同架して撮影していました。

接眼部の反対側にぶら下がっている箱はカメラのシャッターを電動で機械式に開閉する装置です。

残念ながら現存するのは主鏡筒と赤道儀だけで、ガイド鏡やファインダーは養子に行ってしまいました。(;;)/~
ファインダーはミザールの8Cm双眼鏡のかたわれです。これの威力は絶大で、対象の導入に大活躍しました。取り付けは5Cmくらいの屈折用鏡筒バンド(高橋製)のネジを曲げて、バンドがハの字型になるようにして鏡胴を挟み、アルミで作った架台部に載せて向きを調整できるようになっています。

ガイド鏡の接眼部は光路切り替え式になっていて、ガイド星導入時の低倍率とガイド時の高倍率を簡単に切り替えられるようになっています。ガイド鏡自体は経緯台式の架台に載っていて、XY式に向きを変えられるようになっています。

高倍率接眼部は天頂プリズムを使っていて、接眼部の回転と併用することによって、ほとんどの方位(鏡筒の向き)で楽な姿勢でガイドすることが出来ます。

ガイド鏡の背中に同架している箱のような物はタイマーです。これで露出時間をセットし、電動でシャッターを開閉します。シャッターのオンは赤道儀のコントローラーにあるボタンを押すことによって作動します。

それにしても、なんか時代を感じさせますねぇ(^^;。